骨董品買取2018年12月18日

骨董品の買取に欠かせない古美術【鑑定士】なるために必要な資格とは

数十年以上前に作られた品物を「骨董品」、この骨董品の価値を見極める人を「鑑定士」と呼びます。

古い時代に作られた壺や茶道具などが好きな人には、最適な職業だといえるでしょう。

 

では、鑑定士にはどうやってなるのでしょうか。

ここでは、鑑定士になるために必要な資格や鑑定士の年収など鑑定士にまつわる疑問について詳しく解説していきます。

 

1.骨董品の買取に欠かせない「鑑定士」とはどんな職業?

 

骨董品の買取をするときに欠かせない鑑定士という存在。

まずは鑑定士という仕事はどんなことをするのか、学芸員とは何が違うのかについて紹介していきます。

 

1-1.鑑定士の仕事内容

 

鑑定士とは骨董品・絵画・美術品などの古い品物の価値を見極める人のことで、美術鑑定士とも呼ばれます。

 

鑑定するものはさまざま。絵画や掛軸などの美術品だけでなく、骨董品に分類される日本刀や中国の茶道具なども含まれます。

古くから伝わる秋田県の樺細工や栃木県の益子焼などの伝統工芸品など、数十年前に作られた物であれば対象となります。

 

まずは、その品物が本物か贋作かの見極めです。

本物であった場合はその品物がいつ頃作られたか、素材は何が使われているか、作家は誰かなどを調べていきます。

そして、現代の市場ではどれくらいの値打ちがあるものなのか、金額を鑑定するのです。

 

鑑定士は古物の価値を見極める仕事なので、出張買取や店頭買取を行う買取店で仕事をするケースも多くあります。

買取店の場合は店舗の買取方法・査定基準に従って、買取査定を行い、買取額を決めます。

 

1-2.「学芸員」と「鑑定士」の違い

 

では、鑑定士と学芸員は何が違うのでしょうか。

学芸員は学問の立場から品物を鑑定するのに対し、鑑定士は専門的な知識に加えて美的感覚・観察力を必要とします。

 

つまり、どちらの立場も専門的な知識は必要不可欠です。ただ、鑑定士は品物を見極めるための観察力も必要とされます。

また、鑑定士はその品物が「どれくらいの価値があるのか」を、見極める力も兼ねそろえなければなりません。

 

骨董品の買取店などに就職すれば、お客様が持ってきた骨董品の査定をし、その状態や骨董品の情報から買取額を決める必要があるからです。

 

このことから、鑑定士は学芸員よりも多くの才能が求められる職種であるといえます。

 

2.「鑑定士」になるために必要な資格

 

鑑定士を志すなら、資格を取得しなければならないのかも気になるところ。

では、鑑定士になるためにはどんな資格を取得しておけばいいのかについて紹介します。

 

2-1.試験が存在しなかった 「美術鑑定士」 資格の有無

 

現在の日本には「美術鑑定士」に試験や資格がなく、数万以上の人たちが自称美術鑑定士として美術品の鑑定や商取引業務に携わっています。 

 

その為、長年の経験に裏打ちされた素晴らしい美術鑑定士もいますが、中には公序良俗の精神に反する悪意にみちた鑑定を行う美術鑑定士も少なくない為、今の状態を放置すれば美術品鑑定や美術品売買に大きな不利益が発生し、

美術業界、美術文化事業の推進に関わる全ての関連事業に深刻な悪影響が発生する可能性が懸念されています。

 

 

2-2.立ち上がった「公益財団法人」 資格の取得

 

基準の曖昧だった「美術品鑑定士」の秩序を変えるべく立ち上がった団体もいます。

 

神奈川県に所在を置く [公益財団法人頌古会] では「日本伝統文化の保守と継続」の普及活動を行い、

「美術鑑定士」や「美術品鑑定士」等、商標を保有しています。

 

同財団では、美術品鑑定士の資格者による公正な美術鑑定システムを確立するために、内閣府の公益目的事業の認定に基づいた美術品鑑定士育成の検定事業を進めており、令和4年に検定事業が始まるようです。

 

検定によって美術鑑定士資格者による美術品鑑定システムが確立すれば、業界の透明度も増していく事でしょう。

 

3.鑑定士の年収はどのくらい?

 

鑑定士は特殊な職業です。年収も高そうですが、実際にはどれくらいの給料がもらえるのでしょうか?

ここでは鑑定士の給料について紹介します。

 

3-1.鑑定士の給料

 

鑑定士の平均月収は約30万円といわれています。年収500万円程です。

 

鑑定士の職場には美術館・古美術商・画廊・骨董品の買取店などがあります。

また骨董品以外にも家電などを取り扱うエコリングのようなリサイクルショップ、藤沢OPA店などに入っているブランド品買取の店といった骨董品以外のものを買い取る仕事もあります。

どこに就職するかによって給料も変わってきますが、平均としては上記に挙げた30万円です。

 

一見給料が高そうな職種ですが、実は他の職種と大きな差はありません。

 

3-2.信頼と実績でかわる給料

 

鑑定士の月収は30万円程であるものの、「長く鑑定士をしている」「周囲からの信頼が厚い」といった条件を満たせば給料は大きくアップします。

 

一流の鑑定士は年収1000万円を超える人もいるので、実績と信頼によって給料も上がっていくと考えていいでしょう。

国選鑑定士ともなれば裁判所からの依頼などもあります。コツコツ頑張っていくことで、最初の頃の倍以上の年収が期待できるかもしれません。

 

最初の頃は特殊な職業なのに周りと変わらない…と思っていても、地道に努力することで数年後には大きく年収が変わるかもしれません。

 

4.鑑定士の求人はある?

 

鑑定士になりたいけど、鑑定士になるための求人はあるのでしょうか。

 

実は、鑑定士になるための求人はありません。

鑑定士になるには、まずは下積みから。美術品を多く見れる画廊や美術館、骨董品を扱う古物屋や美術品・骨董品の取引をするオークション運営会社に就職するのが一般的です。

 

仕事の中で骨董品・美術品をたくさん見て価値を見極め、コツコツ実績を重ねていくことによって鑑定士になれます。

 

専門的な学校があるわけでもなく資格があるわけでもないため、鑑定士になろうと思ってすぐになれるものではありません。

 

地道に下積みを重ねてようやくなれるものなので、鑑定士を志すならまずは下積みからはじめましょう。

 

一流の鑑定士になれたら、買取業者の求人に応募することも可能です。

骨董品の買取業者の査定員は、お客様が持ち込んだ品物の状態などから価値を査定をして査定額を提示することとなりますが、これは骨董品・美術品の専門家でなければできないことです。

 

「骨董品がある限り存在し続ける鑑定士」

 

鑑定士は、この先も長く存在し続ける職業です。それはこの世に骨董品がある限り変わりません。骨董品がある限り、その価値を見定める鑑定士も必要とされます。鑑定士という仕事は未来永劫必要とされる人材なのです。

 

鑑定士はすぐになれるものではありませんが、実績と信頼を積めば誰でもなれる可能性があります。自身の美的センスを磨き、誰からも認められる鑑定士を目指しましょう。

 

まとめ

・鑑定士とは古物の価値を見極める仕事

・鑑定士の給料は平均月収30万円だが、実績を積むことで上がる

・美術館や画廊で鑑定士の下積みをすることが肝心

 ・資格がないため乱立した美術品鑑定士

・検定により有資格者の鑑定システムが確立しつつある

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