骨董品買取2019年2月16日
美術・骨董品の【仏像】は買い取ってもらえる?おすすめの方法を解説
仏像や仏教美術品といった骨董品は、鑑定してもらうと高額な査定額がつくことがあります。
引っ越しなどで場所を取る仏像を処分するためには、買取りという選択肢が最善なのです。そんな仏像買取りにおすすめの方法をご紹介します。
高価で買い取ってもらうには、作者や歴史も重要です。高価で買い取ってもらうポイントもあわせてご紹介します。
ひと口に「仏像」といっても種類は豊富
そもそも「仏像」とは、どういったものなのでしょうか。単なる置物という認識の方が多いのではないでしょうか。
仏像は「仏」の「像」。この仏というのは、ブッダ(ゴータマ・シッダールタ)のことです。
ブッダは厳しい修行を行ない、ついに悟りを開いて世の中の真理を見つけ出します。その教えのことを「仏教」と呼ぶのです。仏教は世界中の多くの人の信頼を得て、仏様の像である「仏像」がつくられました。世界的には石窟仏教美術が有名で、インドのアジャンタ石窟寺院群などが知られています。
ただ、この仏像ですが、すべて同じではありません。その仏様の世界にもランク付けがあり、大きく4つのカテゴリによる仏像の種類に分けることができます。
それでは、実際にその仏像の種類をご紹介していきます。
1-1.如来(にょらい)
よく耳にするのが「阿弥陀如来像」や「釈迦如来像」でしょう。
この「如来」とは、すでに悟りを開いている仏様(ブッダ)と同義であり、仏像ランキングの最高位に位置します。
簡単にいえば、お釈迦様と同じ姿をしているのが如来像ということになります。
1-2.菩薩(ぼさつ)
「弥勒菩薩像」や「観音菩薩像」なども有名です。道端にあるお地蔵様も、正式には「地蔵菩薩」といいます。なお、「観音立像」などの観音様も正式には「観音菩薩」といいます。
この「菩薩」は、悟りを開く一歩手前の修行をされている仏様のこと。実は、ブッダがまだ修業に入る前の王子時代の姿を模しているのが、この菩薩像ということになります。
1-3.明王(みょうおう)
「不動明王」「孔雀明王」などで知られる「明王」。
人間が亡くなると、菩薩様がやさしく極楽浄土へと導いてくれます。ただ、そんな菩薩様の言うことを聞かない人に厳しい態度で教えを伝えるのが明王様です。
その役目どおり、明王像は一般的に怒ったような怖い表情をしている特徴があります。
1-4.天(てん)
「四天王」「毘沙門天」「帝釈天」など、「天」の仏様は非常にたくさんいます。
この天とは、ブッダの教えや如来・菩薩を守るインド生まれの神のことです。
このほか、仏像には「羅漢」「仏弟子」「高層」といった種類もあります。
骨董品「仏像」って、どのくらいで売れるの?
仏様の姿を模した仏像は、いったいどれくらいの金額で売れるのでしょうか。
この際、バチが当たるということは考えないで、古美術品や骨董品として買取り相場を考えてみましょう。
当然、買取価格は幅広く、数千円から数百万円といった査定額が出る仏像もあります。
2-1.平均価格
まず、大前提として仏像は骨董品や古美術といった芸術分野に関わるものです。買取相場というのは公開されていないケースが多く、あくまで参考の域を出ません。
目安としては以下のような平均買取価格(税別)となります。
木彫仏像:7,000~8,000円
中国(唐物)仏像:15,000~20,000円
観音像:8,000~9,000円
如来像:5,000~6,000円
金銅仏(金メッキ加工):30,000~40,000円
仏像のなかには金属製の金銅仏(こんどうぶつ)というものもあります。これは銅像に金メッキ加工を施して仕上げられた仏像を指します。
伝統ある様式の古美術品として評価が高いのが特徴です。
2-2.高価買取りの可能性もあり!
仏像(金銅仏)でも、制作された時代や国によって査定額が大きく異なります。仏像は飛鳥時代から平安時代、室町時代、そして江戸時代を経て現在でも制作されています。
中国製(清時代)のものよりも、日本製のものに高い値打ちが付き、同じ30cmサイズのものでも100万円もの差が生じることも珍しくありません。
また、有名な仏師が制作したかどうかも高額査定が得られるかどうかのポイントになります。中国製の仏像(中国美術)と日本の有名な仏師の仏像では、200万円の差が生じることもあるのです。
ただ、鎌倉時代に活動した有名な仏師の運慶や快慶などの仏像(東大寺金剛力士像など)は、当然ながら国宝なので個人で所有することはできませんし、そんな仏像を所有していたら大問題です。
仏像の高価買取ポイントとは
実際、処分したい仏像がどれくらいの値段で買取ってくれるのか、気になるところです。
仏像を査定するうえでのポイントがいくつかありますので、ご紹介します。
3-1.その仏像の作者は誰か
仏像の買取りを依頼する場合、まずチェックされるポイントが「その仏像は誰の手によって作られたものなのか」ということです。
作家によっては、高価買取される作品も中には存在します。
3-2.どのくらいの歴史があるのか
仏像の歴史も、高価買取のポイントとして重要です。
仏像の歴史を測るために指針となるのが、仏像の様式。様式によって、年代や時代を特定することが可能です。
たとえば、仏像の手の組み方や顔・眼の表情、衣装などによって作られた時代を特定することができます。
なお、その時代の様式にしては珍しいポーズだったり、特別な衣装だった場合は、レアものの仏像として高額査定されることもあります。
3-3.保存状態の良し悪し
もっとも重要なポイントが、その仏像の保存状態です。
どんなに歴史があって珍しい仏像でも、ひどく汚れていたり、傷が目立つといった保存状態であれば、買取査定額は大きく減額されてしまいます。
仏像はどこで買取ってくれるのか
仏像はどこで買取ってくれるのでしょうか?
買取方法とメリットとデメリットをご紹介します。
4-1.オークション(ヤフオク)
ヤフオクに代表されるインターネットオークションサイトに出品するという方法も、現在では珍しくありません。
自分の売りたいタイミングで出品でき、自分で販売価格を設定できるというメリットがあります。
ただし、落札された仏像を自分で発送しなければならないのがデメリット。
特に仏像の場合、特殊な配送物となるため宅配サービスが利用できないことが多く、しかも送料別なケースが多いため、送料が高く付いてしまうデメリットがあります。
4-2.質屋
不要物を担保に、現金を貸し出すのが質屋の特徴です。目利きできる質屋にもっていくものいいでしょう。
当然、質草を引き取りに行かなければ「質流れ品」として流通してしまうわけですが、質屋の方もこうした自体を想定しています。
つまり、一般的な買取金額よりも大幅に減額査定して質草として仏像を預かるわけです。
よほど、急な出費で現金が必要ということでなければ、質屋に預けるという方法は避けたほうがよさそうです。
4-3.美術買取専門店
古美術品の鑑定士がいる美術買取専門店に依頼するという方法もあります。
美術買取専門店のメリットは、骨董品鑑定士というプロの専門家によって仏像の価値を正確に査定してもらえるという点です。思わぬ高額査定が得られる可能性があるのは、こうした美術品買取専門店に持ち込む方法。
ただし、こうした専門店は絶対数が少なく、買取価格の参考表示などもないため、自宅の近くに店がない可能性が高く、仮に持ち込んでもいくらで売れるかわからないというデメリットがあります。特に大きくて重い仏像を箱に入れて、遠くの店に持ち込むのはかなりの負担です。
また、歴史的価値も作家性もない仏像や、すべて揃っていない(仏頭のみなど)は、二束三文の査定額になるか、下手をすれば査定されないことも。
よほど貴重と思われる仏像を売る場合でない限り、なかなか持ち込むのにハードルが高いといえるでしょう。
4-4.リサイクル販売業者
最近、仏像の買取先として注目を集めているのがリサイクル販売業者です。
「査定無料出張買取OK」と謳っている業者もあり、仏像だけでなく台座や仏具、付属品の陶器などもあわせて買取ってくれます。
手間もかからないうえ、高額買取の可能性もあるリサイクル販売業者に持ち込むのはおすすめです。
家で眠っている仏像はお宝かも!?
仏像の処分に困っている人は少なくないでしょう。
でも、バチ当たりと考える方もいるかもしれませんが、場所を取ったり、重くて邪魔になるケースも多く、処分に困っている人が多いのが事実です。
そんな仏像は思い切って買取ってもらいましょう。もしかすると、家に眠っている仏像はお宝で高額の買い取り額がつくかもしれませんよ。
■まとめ
・仏像には大きく分けて4種類のランクが存在する
・仏像の査定額は作家、歴史、保存状態によって決まる
・買取方法はオークション、質屋、美術買取店、リサイクル業者がある
・仏像をリサイクル販売業者に買取ってもらうのがおすすめ