骨董品買取2019年1月12日
【疑問検証】骨董品で買った錆(サビ)だらけの包丁は研げば使える?
包丁は錆たら使えないと思っていませんか?
実は、錆だらけ包丁も錆を落とせば普通に使うことができます。
それは骨董品で買った包丁も例外ではありません。研ぎ方や砥石の工夫さえすれば、新品のような輝きを取り戻すことができます。
今回は錆てしまった包丁を復活させる方法をご紹介します。骨董品の包丁に興味のある方はぜひ参考にしてください。
1.骨董品で販売されていた包丁を研いでみた大人気Youtube
さまざまなDIY動画をYouTubeにあげ、人気を集めている動画投稿者の「圧倒的不審者の極み」さん。
その投稿動画の「骨董品店で買った錆包丁を18時間手作業で研いだ結果」が話題になっています。
この動画は「藤次郎」というブランド包丁を18時間かけ、磨き上げるという動画です。磨く前は錆すぎていて綺麗になるのが想像できませんが、6つの砥石を使い分け時間をかけて磨いていくことで、みるみるうちに綺麗になっていきます。
最終的に、同じ包丁とは思えないほど綺麗な仕上がりに。丸めたおしぼりも簡単に切れるほどにまで復活するのです。
再生回数は2,000万回を突破。錆ている包丁でも、研げば包丁としての機能を取り戻せることを証明してくれる動画です。
2.生まれ変わる包丁の研ぎ方をご紹介
錆は少し放置しておくだけでもすぐに広がってしまう厄介なもの。しかし包丁と錆は切っても切れない関係なのです。包丁を使う以上、錆とは上手く付き合っていかなければなりません。
ここでは、錆びの種類と包丁が生まれ変わったかのように綺麗になる研ぎ方を紹介します。
研ぎ方を学ぶことで包丁と長く付き合うことができるでしょう。
2-1.錆(サビ)は2種類ある
包丁の錆は2種類あります。「黒錆」と「赤錆」です。
黒錆は見た目こそよくないものの、害を及ぼすことは少ないです。水なども通さないことから放置していても問題はありません。錆が原因で、でこぼこしてるのであればもちろん対策は必要です。
問題なのは赤錆です。赤錆は赤っぽい色の錆です。
この錆は水や酸素が通ってしまうほど、隙間の多い組織で作られています。その組織の隙間に湿気や水が入り込むことで、内部の錆が進行していくのです。
放置しておくと錆の進行がどんどんと進んでしまう厄介なものです。
赤錆を見つけたら、なるべく早く落とすことを心がけてください。広がってから錆を落とすのはなかなか大変な作業です。
2-2.砥石にはさまざまな種類がある
包丁を研ぐ砥石にも種類があります。ここでは「砥石」「簡易砥石」「ヤスリ棒」の3つの砥石について紹介します。
まずは砥石。砥石には粒度という砥石の荒さで種類が別れていて、一般的な家庭で使われているのが「中砥石」。刃が欠けてしまった時には粗めの「荒砥」を使用するといいでしょう。
砥石の1番のメリットは使い慣れているということです。さまざまな形の砥石がありますが、研ぎやすさを考慮するとスタンダードな砥石がいいでしょう。
包丁の状態によって砥石を選んでください。
簡易砥石は切れ味が少し落ちた時に使用すると、切れ味を復活させる補助的な役割があります。簡易砥石で研ぐのは確かに簡単ですが、調整できる範囲が狭いうえ刃が欠けた時の対応はできません。
「研ぎ棒」や「スチール棒」とも呼ばれるこのヤスリ棒は、主に食肉加工の現場で使用されている砥石です。刃先の軽いメンテナンス、刃先についた脂を取り除くという効果があります。慣れていないと刃が凹んでしまったりする砥石です。
使い慣れるまで少し時間のかかるかもしれませんが、砥石で包丁は生まれ変わることを忘れてはいけません。
2-3.包丁の研ぎ方【洋包丁】
包丁は大きく分けて2つの種類があります。【洋包丁(両刃包丁)】と【和包丁(片刃包丁)】です。
まず、洋包丁の研ぎ方を解説します。
研ぎ方は右利きの場合です。左利きの方は、左右反対にして研いでみてください。
【1】研ぐ前の準備として、砥石を水に浸します。砥石から泡が出なくなるまで5分ほど待ちましょう。
【2】まずは右手で柄を握り、左手で刃先を抑えます。刃先を手前に向け、刃先だけを砥石につけ背中の部分は浮かせてください。包丁と砥石の角度は10°前後。少し硬いものを切ることが多い人は15°前後にしましょう。
【3】準備ができたら研ぎに入ります。手前から向こう側にスライドさせましょう。向こう側に押す時に力を入れ、手前に引く時は力を抜いてください。引く時に力が入っていると、刃先が潰れてしまうことがあります。難しい方は浮かせて戻してください。
【4】ある程度片面を研いだら裏返して反対側も研ぎます。次は刃先を手前ではなく、向こう側に向けてください。抑えかたは同じです。ここでも向こう側にスライドする時に力を加え、手前に戻す時には力を弱めてください。浮かせて戻しても構いません。
【5】この裏表を数回繰り返します。最後に包丁を研ぐ時に発生する「刃返り(バリ)」を除去したら完成です。刃返りの取り方は、湿らした新聞紙を数回切って取ってください。
2-4.包丁の研ぎ方【和包丁】
次に、和包丁や片刃の研ぎ方を解説します。
【1】表部分を砥石に当てます。研ぐ時には刃の全体が砥石に当たるようにスライドしてください。和包丁を研ぐ時も向こう側に押す時には力を入れ、手前に戻す時は軽く戻してください。
【2】手前に戻すのが難しいようなら、洋包丁と同様に浮かせて戻すようにしてください。表側は刃返り(バリ)が出るまで研ぐのが目安です。
【3】和包丁の場合、なるべく裏側を研がないほうがいい状態を保つことができます。表側だけを研いでください。もし研ぐ場合は、表面を研ぐ時より軽い力を入れ研ぎましょう。
【4】表面を研ぎ刃返りが出たら、湿った新聞紙を数回切り刃返りを除去してください。
3.値段の高い砥石ならどんな包丁は生まれ変わることができる
ちなみに値段の高い砥石を使うことで、安い包丁も生まれ変わります。
たとえば100円均一で買った安くて切れ味のよくない包丁も、値段の高い砥石で研ぐことで100円で買ったとは思えないような切れ味になるのです。
高級な砥石はたくさん存在あります。値段の幅もさまざまです。
3万円で買える砥石もあれば、10万円くらいする砥石もあります。高いと思うかもしれませんが、それだけの価値があるのも事実。質の高い砥石で研ぐことで、安い包丁も高い包丁の切れ味と変わらないくらいに変わることができるのです。
4.骨董品で包丁を売る際も、研げば高値で売れる?
砥石で包丁は生まれ変わりますが、骨董品を売る時は例外です。
もし錆びついた骨董品の包丁を売ろうとしているなら、自分の手で研いではいけません。
確かに錆ているのは買取価格に響いてしまいますが、錆とりをする作業の中で、包丁に傷がついてしまう可能性もあるのです。本来の価値を落としかねません。
錆はどうしても気になりますが、傷をつけて価値を下げてしまうくらいなら、そのまま買取査定に出した方が絶対にいいでしょう。
では、骨董品はどういったことに価値を求めるのでしょうか。ここでは、骨董品の価値を判断するポイントをご紹介します。
4-1.刻印と保存状況で値段が変わる骨董品
骨董品の値段は保存状態で大きく左右されます。本来の状態から大きくかけ離れている状態のものの査定額は、もちろん下がってしまうのです。
しかし、状態が悪いからといって自分で修理するのはやめましょう。素人が修理したあとは、鑑定士にはすぐにバレてしまいます。修理はプロに任せましょう。
保存状態も大切ですが、刻印の有無も値段に響きます。刻印はその作家が、自身で作った品の証明。刻印は作家物かどうかを見分けるのに、大切なポイントです。刻印の有無も骨董品としての価値に大きく関係してきます。
4-2.貴重なものも状況で安値が付くことも
貴重な骨董品でも市場の状況によって、安い買値しかつかないことがあります。
本来100万円の価値があるものでも、買い手が誰もいなければ100万円の市場価値はありません。需要がない貴重なものは、本来の値段より安い値段がついてしまうことがあるのです。
砥石で本来の切れ味を取り戻そう
包丁はどれだけ錆ていても、砥石で丁寧に研げば本来の切れ味を取り戻すことができます。骨董品の包丁を買ったのに、錆ていてどうしようか困っている人はぜひ砥石を使って研いでください。
砥石で研ぐ作業は難しいかもしれませんが、慣れてしまえばスムーズに行うことができます。
価値のある包丁の本来の切れ味を取り戻し、その切れ味を体験してみてはいかがでしょうか。
まとめ
・包丁はどれだけ錆ていても切れ味を取り戻せる
・砥石はさまざまな種類があるが、スタンダードな砥石がおすすめ
・砥石で研ぐ作業は慣れてしまえばスムーズに行うことができる
・骨董品の包丁を売る場合は自分で研いではいけない